【農業×IT】Agritech分野で2016年注目のスタートアップ5社

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ITを武器にユーザ目線の新たな金融サービスを提供するスタートアップ企業のことをFinTechと呼んだりしますが、ITの力を使って農業サービスを提供するAgritechにぼくは注目しています。農業ほどIT化の進んでいない業界もないですが、その規模は日本だけでも数兆円、さらに食という人間に欠かせない領域と密接に結びついていて非常に可能性の大きな分野です。

そこでAgritechで最近注目のスタートアップをまとめて紹介したいと思います。

株式会社ファームノート

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設立:2014年
本社:北海道帯広市
URL:http://farmnote.jp/
Farmnoteは牧場管理がクラウド上でできる牛郡管理システムを提供しています。「牧場を、手のひらに。」をビジョンに、いつでもどこでも牧場経営が出来る世界を目指しています。

これまで紙のノートで管理されていた牛に関するデータを全てクラウド上で管理することができ、発情など繁殖データ、病気や移動履歴、血統情報などが自動的に整理され、PCでもスマホでもタブレットでもすぐに確認することができます。

まさに新時代のノート。既に日本の全牧場の3%が導入しており、昨年はグリーなどから2億円以上の資金調達を完了しています。今後は牛に着用させるウェラブルデバイスの開発により、牛から自動でデータを収集するような展開が準備されているようです。

牧場管理に特化したWebサービス、発想がWEB企業出身者からはなかなか出てこない秀逸なサービス。今後の世界展開も狙える、大注目のサービスです。

テラスマイル株式会社

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設立:2014年
本社:宮崎県宮崎市
URL:http://www.tera-smile.com/

テラスマイルの提供するサービスTerareport、TeraScopeは農業の経営を可視化するというテーマで、農業が抱える属人的で外的要因に左右されやすいという課題を、データを集めて整理することにより、農業経営を効率化し所得へフィードバックさせようというサービスを展開しています。

これまで可視化しづらかった土壌や気候、市場データ分析などから未来の計画をたて、生産者の経営目標に対する支援を行います。日本IBMより技術支援を得て、人工知能を活用した、農業経営システムの研究開発と、高齢者の持つ勘と経験の情報化を推進させ、将来は、農業経営者・新規就農者の右腕として、人工知能が用いられることで、未来につながる農業になることを目指しています。

天候や市場価格といった、今まである種諦めるしかなかった情報を正確に予測することにより、経営リスクをコントロールするという他の業界では当たり前の考え方は農業界では実に革命的なサービスです。安定した農業経営ができ、効率的に収益があげられるようになると、農業特有の儲からないというイメージの払拭にも繋がり、これからの農業にとって大事なサービスとなってくるでしょう。

ウォーターセル株式会社

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設立:2011年
本社:新潟県新潟市
URL:http://www.agri-note.jp/

ウォータセル株式会社が提供するアグリノートは、これまで勘と経験に頼られてきた農作業を記録し、農薬や肥料の使用回数を農薬別、成分別に自動集計できます。また、生育情報や農場情報が楽に整理でき、簡単入力で瞬時に情報共有できます。

今まで手書きのノートや、頭の中にだけあった記録をきちんとデータ化し、集計することができる、こういう記録管理系サービスは、欧米でも流行っています。日本の小規模農場が中心の中でどれだけ存在感を示せるかが課題ですが、データを蓄積して解析するというのは、全ての基本ですので、この手のサービスはもっと出てくると思います。

類似サービス:畑らく日記

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プラネットテーブル株式会社

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出展:http://jp.techcrunch.com/2016/01/08/planettable/
設立:2014年
本社:東京都渋谷区
URL:http://planet-table.com/

プラネットテーブル株式会社が提供するSENDは日本全国にいる特徴を持った農畜産水物生産者と、そんな生産者が手がけたこだわりの食材を使いたい飲食店の直接取引を実現するプラットフォームです。取引に関わるオペレーションや保管、配送までを自社でカバーしています。

現在のところ広尾や恵比寿、六本木など東京都心部の飲食店に限定してサービスを提供してきており、2015年12月にはサイバーエージェント・ベンチャーズなどから総額1億円の資金調達を得ています。

農家の大きな課題の1つが販路の確保です。通常の農協を通じた出荷では、市場価格に左右され中間マージンも大きいため、利益の確保が不安定です。また、個人ユーザーへの個別販売を行うと、ロットが少なすぎるため配送の手間が大きい上に、100人以上と定期販売契約を結ばなければ生活できるレベルにならないのでなかなか非現実的な方法になってしまいます。

そこで農家は一定量を定期的に仕入れてくれる飲食店と契約したいと考えますが、飲食店と知り合う機会はなかなかないものです。また、こだわった食材を仕入れたいと考えている飲食店も、一定量を安定して供給してくれる農家と契約したいという要望は大きいですが、そのような農家と個別に知り合う機会も限定的です。

そこでこのような農家と飲食店の橋渡しをするようなサービスに需要が生まれます。自社で保管や配送も行っているということで、今後のスケールが課題ですが、注目のサービスです。

agribuddy

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設立:2015年
本社:カンボジア、ベトナム
URL:https://agribuddy.com/
最後は海外のベンチャー企業を紹介。
発展途上国の農家向けに無料ウェブサービス「AGRIBUDDY(アグリバディ)」ベータ版のAndroid版アプリです。カンボジアやベトナムの農場は日本の比でなく、1つの農場が東京ドーム何十個分という規模で運営されています。当然、1つの農場に対して何十人という農作業者がいるわけですが、あまりに農場が広大なため、その日誰がどこまでどんな作業をしたかという情報が全く整理されていません。

そこで途上国では、GPS測定器をもつ農家が農作業が行われた面積を測定して農作業者に賃金を支払っているのですが、測定器を購入できない農家は測定が目分量になり賃金を巡るトラブルは絶えないそうです。測定器を所有していても、ITリテラシーがなくデータを生かせないこともあり、Androidアプリを使って、先進国並みの農業管理ができることを目指しているサービスになります。

アグリバディではAndroid端末のGPS機能で農場や作業所状況を計測し、データをクラウドに送信すると、Google Maps上に農場の面積や作業状況が表示されます。撮影した写真を送ると、ジオタグで農場、作業ごとに振り分けされ、農場の様子が把握しやすくなり、作業速度のモニタリングも可能です。関係者だけで情報を共有する、あるいは、農場ごとに栽培状況や作業進行状況を公開し、オーナー間で情報を共有することもできます。

この会社は現地で農場を管理しながら日本人が運営しているというところも面白いです。

まとめ

世界という視点でみても、やはり食糧問題が絡んでいるので、農業の効率的な経営の推進は最重要課題です。世界中の企業が、この分野に積極的な投資をしています。

大きくわけると農業系スタートアップは以下の3つになります。

  1. 農家の経営・生産効率向上に向けた情報管理・分析サービス
  2. 財務情報、生育情報、販売情報などを管理・集約し、分析するツールを提供。
    情報の入力方法、管理方法、分析方法、解決策提供有無等に応じてサービスの違いがあります。
    例)ファームノート、テラレポート、テラモニタリング、アグリバディ

  3. 農家からバイヤー・消費者、飲食店への直販サービス
  4. シェフや小売店バイヤー等が直接農家と交渉できるプラットフォーム。
    例)SEND

  5. 個人栽培の効率化ツール
  6. スマホと組み合わせた野菜栽培ツールや、個人栽培における手間やコストを効率化するサービス。
    例)アグリノート、畑らく日記

いずれにせよ、農業は大きな課題が多い割に、課題解決に挑戦するプレイヤーが少なく、世界的に見れば成長産業でもあり、世界共通の産業なので、この分野の可能性は非常に大きく大注目です。

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ABOUTこの記事をかいた人

1983年大分県生まれ。東京在住のWeb系エンジニア。
ポータルサイト、ファッションECサイト、コーディネートアプリ、食品ECサイトの開発運用などを経験。 人に役立つことや面白い記事を書けたらなと思っています。