意識高い系(笑)のルーツは日本の就職活動の自己PRなのではという仮説

https://twitter.com/takapon_jp/status/673069013107273729

これ見て思ったんですけど、意識高い系の定義って頑張っている人のことではないですよね。

むしろ逆で、意識高い系って全然頑張ってないのに頑張ってるように見せかけて、自分のことを過剰に周りにアピールする人のことですよね。意識高い人と意識高い系は違うってことなんですが、これを混同されると話にならなくなってきます。

でも、この全然頑張ってないのに頑張っているように見せかけるって、どこかで聞いたことあるなと思ったら日本の学生の就職活動そのものなんじゃないかと思いました。

学生の就職活動で必ず聞かれる質問

今はどうなのか知りませんが、ぼくが就職活動した当時、必ず聞かれる質問は2つありました。

  • 志望動機
  • <li>学生時代に一番頑張ったこと</li></ul>
    

    志望動機はともかく、この「学生時代に一番頑張ったこと」って大抵の人は「そんな語れるようなことなにもねーよ」に決まってます。でも就職活動をやった先輩の話を聞いたり、2ちゃんや、就職活動本を見ると、ものすごい自己PRばかりが並んでいます。

    <ul>
    

  • 1000人を超えるサークルを立ち上げ、代表をやってました
  • <li>アジア20ヵ国をバックパッカーとして旅し現地で旅行会社を立ち上げました</li>
    
    <li>部活で主将としてチームを率いて世界大会で優勝しました</li>
    
    <li>バイトしていたお店で創意工夫し売り上げを10倍に伸ばしました</li></ul>
    

    まじでこんなんばっかりで、こんなの見聞きしていたら誰でも焦ります。

    「自分にはそんなにアピールできる経験がない」

    この多くの人が感じる焦りが、誰もが一度は聞いたことのあるであろう

    就職活動では0を1にして語るのはNGだが、1を2にして語るのはOK

    という、話を盛るという行為につながっているのだと思います。

    就職活動は大学一年生から始まっている

    2008年、リーマンショック。 前年までの就職売り手市場から一気に就職氷河期になりました。その年に入学した大学一年生は、大学三年生や四年生の悲惨な状況を嫌でも聞く状況になったと思います。就職活動は甘くない、大学一年、二年の間をどう過ごすか、どんなアピールポイントを作れるかにかかっている、具体的にはサークルやイベントを主催し、人脈を広げ、自己啓発本を読み、価値の高い自己PRを作っていくことを頑張らなければいけない、そうやって意識高い系が出来上がっていくのではと思いました。

    でも実際には、本当に意識の高い活動を通して実績を残すことは簡単ではなく、知識や見栄ばかりが先行してしまい、意識の低い学生をバカにするような発言が周りの鼻につき「意識高い系」と揶揄されるようになったのではないでしょうか。

    ちょうど2008年に大学一年生だった子が就職活動して内定もらったり、入社したりする2011年、2012年頃から「意識高い系」って言葉が流行り始めたんじゃないのかな、違うのかな?

    アピールして目立つことが圧倒的正という価値観の植え付け

    自己PRとはアピールすることが圧倒的に正しいシステムの中で、多少話を盛ったり、自分を誇張してみせても、それが内定につながるのであれば、それは完全に正である、そういう日本の就職活動の仕組みや価値観、強迫観念が、昨今の意識高い系を生み出した犯人なのではないでしょうか。

    また、ちょっと調べてみたら、「意識高い系がやたら使う用語(笑)」みたいなまとめがって

    • リスケ
    • <li>コンセンサス</li>
      
      <li>エビデンス</li>
      
      <li>アウトプット</li>
      
      <li>プライオリティー</li>
      
      <li>アジェンダ</li></ul>
      

      こんなの社会人になったら当たり前に毎日使うような言葉ばかりで、でも確かに学生の時は使わなかったなとも思い、つまり意識高い系とは少し先の大人への憧れからくる背伸びすることなんだなと思いました。

      そんな背伸びはすぐに終わるし、そのうちあの時は若気の至りだったと笑い飛ばせるようになるから別にどうでもいいけど。とちょっと上から目線の意識高い系エントリでした。