【読書感想】未来をつくる起業家〜日本初スタートアップの失敗と成功20ストーリー

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この本が面白いと聞いたのでKindleで買って読んでみました。
一言で言うとめっちゃ面白かったです。日本で有名な成功した起業家たち20人の半生を綴ったもので読むとかなりワクワクする内容になっています。中でもぼくが読んでいてグッと来た箇所を抜粋して紹介していきたいと思います。

小林清剛(NOBOT創業者)

このゲームのゴールは、僕の人生の中で事業が生み出す価値を最大化することです。つまり、僕の人生の価値イコール僕が人生で生み出した事業の価値で、これを最大化することが本当に楽しいのです。
これからも、できるだけ大きな価値を生み出す事業を作って、世界中のできるだけ多くの人を幸せにしたいです。僕にとって企業の価値は、それ以外にありません。

事業やサービスを大きくする理由は人それぞれだと思いますが、生活やお金のためではなく、人生の価値を高めるため、価値を最大化することが楽しい、それはゲームだと例えるところが建前じゃなくて本音なんだなと思うし、そう言い切れることがすごいなと思います。

木村新司(アトランティス創業者)

安い給料で雇うのはCEOの能力が低いからです。社員は会社が成長した時に給与が増えて、家族が幸せになるものです。搾取する形の会社だとうまくいかないと、僕が投資している10社の社長にはよく言っています。
僕の周りにいた優秀な人、例えば東大にはいっぱいいましたけど、いまスタートアップで働いている人は誰もいません。それは合理的に考えた時にリスクに対するリターンが合っていないからです。年功序列でも大企業や完了になるほうが、リスク・リターンが合うと思い込んでいるので、そうでない状態にしないと本当に優秀な人たちが来てくれません。もっと給料を払いたいのはこのためです。彼らが来ないと日本のベンチャーはグローバルに展開していけません。

スタートアップの給与水準について客観的に語っています。やはり情熱は大事ですが、頭のいい人ほど合理的に考えます。冷静に考えてリスク・リターンが見合わないと判断するとスタートアップ界隈に優秀な人が集まりません。しかし、それではイノベーションは起きない、従業員を搾取するのではダメだという視点は他の人は語っていなくてさすがだと思いました。

南壮一郎(ビズリーチ創業者)

100年後から、もし今の時代の自分を振り返ったとしたら、なぜこの時代において、インターネットの仕事をしていなかったのだろうと、きっと自分自身に疑問を持つであろうと考えました。
「本質的に正しい姿を見つけ、価値ある事業をつくり出す」。インターネットはその志を実現できると感じ、私は起業しました。インターネットがもたらした情報革命の影響は大きく、この10年で情報のあり方は大きく変わりました。
「業界のゲームチェンジャーでありたい」、これは私たちが常日頃から目指している姿です。自分たちの信念を持ち、これまで常識だと思われていたことにとらわれず、本質的に正しい価値を追い求めたい。結果として我々の行動が業界の歴史となる。それこそが私たちが追い求めるゲームチェンジの姿です。

インターネットは100年に一度の現代の産業革命である、この時代にインターネットの仕事を選ばない理由はない、というところに非常に共感しました。インターネットは既存の産業の構造を作り変える大きな力を持っていて、どう考えてもチャンスです。事実、この本に載っている起業家はみんなインターネットを使って起業しています。

村田マリ(iemo創業者)

会社を率いる者として大きなビジョンがあるほど優秀なプレーヤーを採用でき、それに鼓舞されてチームのテンションが上がって、自分たちは世界一になると皆が思えるチームの方が大きくなれると考えるようになりました。

優秀なチームを作っていくためにはトップがビジョンを語れることが大事だということです。そこがスタートアップが中小企業で終わるのか、大きくなれるのかの分かれ道な気がしました。

RobLaing&MattRomaine(GENGO創業者)

アドバイスそのものは、いくらでももらえるものだと思うんですよ。もちろん人から求めたり、本から得たりするものもありますが、多くは降ってくるものです。難しいのは、どうやってアドバイスをもらうかではなく、数多くのアドバイスから従うべきものを選ぶことだと思います。

いろんな人がいろんなアドバイスをくれます。みんな良かれと思って親身に相談に乗ってくれますが、当然人によって正反対のことを言うし、何が正しいのかなんてわかりません。いろんなアドバイスの中から選ぶという作業は本当に難しいと思います。

平野未来(Cinnamon創業者)

起業をするときはリスクについてばかり考えてしまい、どうしても足踏みすることが多いと思います。でも、よくよくリスクを分解していくと、最終的に大きく存在しているリスクは自分の心の中にある不安だったりすることが多いのではないでしょうか。
そんなときにオススメするのは、複数のことを一度に解決しようとしないこと。自分のしたいビジネスをして、お金もすぐに入ってきて、周りからもかっこいいと思われたくて、などと複数のことを一度にしようとすると、突如としてハードルが高くなるんです。でも、自分の一番したいことだけにフォーカスして、他は諦めると、実はそんなに難しくありません。お金は諦めて、周りからかっこいいと思われることも諦めて、でも自分のビジネスをはじめることだけにフォーカスすると、なんとかなります。

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確かに何かを始めようと思ったときに最初から自分の理想の姿を思い描いて、それになるのは難しいなと諦めがちなので、まずいちばん大事なことを選んで、それを解決すること、そういう道の選び方は大事かもなと思いました。

何をするにしても不安は感じるものなので。

秋好陽介(ランサーズ創業者)

またミドルマネジメントの教育、育成に力を入れました。能力があるかどうかではなく、自分と考え方について分身であるということがうまくいく秘訣だと思っています。スキルよりカルチャーを重視しています。新しい働き方を作るという目標に向かって、同じ視点とエネルギーで働いていきたいので、社員には株のストックオプションを出すこともしています。

スキルよりカルチャー、これはいろんな経営者が口を揃えて言っていることだなーと思いました。じゃあ、カルチャーってなんなんだろうと思うわけですが、創業者の分身のような考え方を持つ人なのでしょうか。でもそれって多様性という意味では組織の硬直化につながらないだろうか、カルチャーってなんだろうといつも思います。

坂井光(インタレストマーケティング創業者)

単純に、安定は敵、衰退のはじまりだと思っています。同じところに留まりたくないので、常にアグレッシブに攻め続けます。

これはすごく共感するところで、ぼくも右も左も分からない状態で手探りで前に進んでいるときが一番楽しくて成長を実感しますが、ある程度スキルがついてまわりがみえてきてコンフォートゾーンに入ってくると、途端につまらなくなってきてしまいます。

守りに入ったり保守的な考え方が好きじゃないんですが、日本では圧倒的にそういう人の方が多いので、ぼくはいつも反対されてきた人生でした。例えば、ぼくは新卒でヤフーに入ったんですが、大学院まで行って遺伝子工学を専攻していたので、食品系の会社に行くか迷っていたときに周りの人の9割は食品系の会社に行くべきだとアドバイスをくれました。

ヤフーなんて当時創業10年ちょっとで浮ついた会社、インターネットなんて虚業だみたいな意見が多くて、地元で歴史ある飲食会社に就職した方が絶対いいということを散々言われたのですが、結局どうしてもインターネットに自分の人生をかけたいということでヤフーを選びました。

しかし、この業界に入ってヤフーを否定する人はあんまりいないし、場所が変われば意見も変わるものだなと思います。ヤフーを辞めたときも、さらに次の会社を辞めたときにも、周りの人にはかなり反対されました。惜しまれるというのは嬉しいことでもありますが、今でもあの時残っていれば今頃美味しい汁が吸えたのにみたいなことを言われたりします。でも先行者利益や既得権益を得たいとか、ぼくが求めている価値観がそういうことじゃないんですよね。

まとめ

20人もの起業家の半生が綴られていたんですが、皆同じ事を言っているなということも多々ありました。

日本は今3回目か4回目のベンチャーブームである、15年前とは違って日本でもスタートアップを支援するためのエコシステムが出来上がりつつある。昔は資金調達と言えば銀行が主体で担保を求め、失敗するのは本当にリスクであったが、いまは株に対して出資をするので資金調達しやすく何十億という資金も動くし、スタートアップの環境は非常に良くなっている。

日本という環境は英語圏でないので世界をターゲットにしたときに一見不利なように見えるが、逆に言えば日本語という壁があるので海外から攻めづらく参入障壁が高い、また国内のマーケットが大きいため国内だけで成功することができる。例えばアジアではベトナムなどは優秀なエンジニアも多いが、まだスタートアップのエコシステムができていない、シンガポールなどはそもそも国内市場がないため、最初から海外展開するしかないという競争にさらされている。日本国内ではベンチャーキャピタルはすごく増えたが、スタートアップの数が圧倒的に少ないためライバルが全然いない、なのに市場はあり資金も集めやすいので良い時代になっている。

起業は回数をこなすとどんどん上手くなるのでシリアルアントレプレナーと呼ばれる連続起業家がもっと生まれてほしいし、もっとスタートアップが増えてほしい。

みたいなことを皆さん言っていました。
日本はリスクに対して異常に厳しい国民性がありますが、別に失敗しても死ぬわけじゃないし、失敗したらまたチャレンジするか別のどこかで働けばいいだけな気がします。

そんなわけで、この本はやりたいことがあったから起業して成功したみたいな綺麗な話ばかりじゃなくて、成功したくてがむしゃらに成功しそうなことを見つけた、みたいな生々しい本音や、うまくいかなくて社員を解雇したみたいなエピソードも盛りだくさんで非常に刺激的で面白い本でした。

一話一話もそんなに長くないので電車の中で読んだりするのもオススメです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1983年大分県生まれ。東京在住のWeb系エンジニア。
ポータルサイト、ファッションECサイト、コーディネートアプリ、食品ECサイトの開発運用などを経験。 人に役立つことや面白い記事を書けたらなと思っています。