ネットは新聞を殺すのか

【引用始まり】 — 日本経済新聞社、朝日新聞社、読売新聞グループ本社は1日、3社共同でインターネット上のニュースサイトを運営する構想などを発表した。ニュースサイトは、記事や社説の読み比べのできるサービスなどを検討しており、08年初めのサービス開始を目指している。ネットメディアの中での新聞社の影響力を高めるのが目的。【引用終わり】 —

いわゆる斜陽業界というやつでしょうか。
ラジオ、テレビと時代が変わる中で対応してきた新聞業界ですが、インターネットに関しては完全に乗り遅れてしまい、大手三社も数年後に赤字に陥るのではないかと言われています。インターネットが流行りだした頃に新聞社はヤフーやグーグルにニュース提供、リンクされることを渋ったそうですが、それはインターネットの世界では存在しないということに等しいということに気づき、現在の体制へとなっていったそうです。

はっきり言うとこの3社の共同ニュースサイトは成功しないと思います。
それはインターネットの世界では後発参入は成功しないという法則があるからです。ヤフーニュースやグーグルニュースといった圧倒的な大手が存在する中で、共同ニュースサイトの存在意義は薄いといわざるをえません。この共同ニュースサイトを創立する一方で大手ニュースサイトへのニュース提供を停止しないという理由はそこにあるのでしょう。ただ、一方で新聞社はソースを持っているという強みがあります。大手ニュースサイトもソースを書く新聞社が存在しなければ何もできないのも事実なので、その点において新聞社は優秀な取材力を独占しているという優位性があります。この強みを活かし、大手ニュースサイトへの配信を停止すると共に、かつ新聞社ポータルがそこそこのシェアを獲得できれば話は変わってくるかもしれませんが、今のままではなかなか難しいというのが現実だと思います。

取材力という点で言えば、例えばヤフーには独自の記者を大量に雇い自前のニュースを提供するという手もありますが、そこは基本方針としてどの業界ともうまくやっていきたいという考えなので、あくまでコンテンツを作る側にはまわらず間接的に提供するという方針のようです。グーグルはそもそも世界の全ての情報を掌握したいというのが企業としての基本コンセプトなので自前の記者なんてのは全く別の次元の話になってしまいます。要は新聞社としてはそこが気に入らないのでしょうね。コンテンツを作っているのは自分たちなのに集客力があり儲かっているのは中間業者であるヤフーやグーグルなのですから。しかも本業がジリ貧でうまくいっていないのならなおさらです。そこで今回の苦し紛れの一発なのでしょう。斜陽業界は何をやっても手遅れ感があります。思えばインターネットはこの10年で急成長してきましたが、それは他の業界のパイを奪っているという側面も大いにあるのでしょうね。新聞、ラジオ、テレビ、雑誌、紙、印刷、出版、これらは全てこれからインターネットの繁栄と共に衰退していく運命である業界です。技術力を強みにして違う分野や海外に勢力を伸ばせるなら逃げ道はありますが、そうでない場合は厳しいと思います。

ところで少し話は変わりますがポータルサイト、ヤフーのトップページの右上にある広告スペースはブランドパネルという名前らしいです。このブランドパネル、一日12億PVあるヤフーの中でもとりわけ一番目立つ場所でもあります。ここに広告を掲載するのに一体いくらかかると思いますか?答えは一週間で675万円(1500万PV保証)が相場だそうです。ヤフーなどのポータルはこのような広告料が主な収益原であり、そこはテレビなどの他のメディアといっしょで、ヤフーは単なるネット企業ではなく大手総合メディア企業になろうとしているのですね。どちらかと言えば広告代理店のような存在に近いかもしれません。インターネットは既に規模においてラジオ、雑誌を追い抜いたそうで、次はいよいよ新聞、テレビの番がやってきます。大きな範囲で見て10年後のメディア業界、関連業界の勢力図はどのように塗りかわっているのでしょうか。

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