ネット広告がテレビCMを越える日

今週、読んだ本です。
ネット広告がテレビCMを超える日 (マイコミ新書)

これは前回読んだテレビ進化論と方向性は同じなのですが、前回よりも分かりやすく読み物としても面白めでした。最近、通信と放送の融合系の話ばかり読んでますが、それを通じてテレビという媒体、メディアについても様々な方向、視点から眺めることができて詳しくなっているのを感じます。やはり物事は一方方向から見るのではなく多面的に眺めるべきで、そのために同じジャンルの本でもたくさん読むと切り口が違ったりして勉強になりますね。

今回もテレビの未来像についての話が出たのですが、一部抜粋してみようと思います。201X年のあるサラリーマンのテレビ視聴スタイルです。

【引用始まり】 — 大手企業のマーケティング部門に勤める29歳の独身男性
時短促進が叫ばれたのは遠い過去のことになって、ここ数年、23時前に帰宅したことはほとんどない。しかし、プライムタイムのテレビ番組はよく見ている。最近買い替えた大型SEDテレビには3テラバイトものハードディスクドライブが搭載されていて、しかも、録画機能がとても賢くなっている。自分の好みや目的にマッチした番組を片っ端から録画しておいてくれ、つまらない深夜番組しか見られなかった昔よりテレビがずっと楽しくなった。テレビ番組は全て光ファイバーを通して送られてきて、地上デジタル放送のほか、有料放送の100チャンネル、さらにビデオ・オン・デマンドでハリウッドの映画が見られる。
テレビをつけると、まずホームページが映り、そこには録画しておいた番組一覧とともに、実際に視聴した人の投票によるランキング、視聴者レビュー、評価などが表示されている。テレビやハードディスクレコーダーがインターネットに接続されているのが当たり前となり、かつてオンライン書店のアマゾンを急成長させた現象がテレビでも起こっているのだ。
プシュ!ビールでのどを潤して、とりあえずはニュースを見る。各番組には視聴者によるレビューが寄せられ、五段階の☆印で評価がつけられている。あいかわらずA局の評価が高く、B局は低い。視聴者の評価にさらされるようになって、ニュース番組はずいぶんと面白くかつ役立つようになった。一昔前に視聴率を稼ぐ王道だったワイドショー的なノリだけでは高い評価を得られないからだ。評価が低ければ見てもらえなくなるので、各局とも質にこだわるようになったのだ。
次にマーケティングに役立てるために20代女性のランキングが高いドラマを見てみる。インターネットを通じて視聴者の情報が送られるので、それを基にした属性別のランキングが見られるのだ。
中略
ついでに「この番組を見ている人はこんな番組を見ています。」とレコメンドが表示され、それもビデオ・オン・デマンドにリンクされている。
中略
また、Q&Aサービスも用意されていて「昨日の夜、何時か忘れたが、とても耳に残るCMソングを聞いた。タラ・タラ・ララーというようなメロディーだった」と投稿すれば、「たぶんこれじゃないか」と題名や歌手、条件のよい購入経路までつけて教えてくれたりする。
プロ野球を見始めたが、明日までには企画書を仕上げなければならない。続きは書斎のパソコンで企画書を作りながら見ることにした。ハードディスクレコーダーはLANで繋がれていて、パソコンからでも録画した番組を見られるのだ。
【引用終わり】 —

そもそもこれが23時過ぎに帰ってきてからの過ごし方だとはとても思えませんし、特に目新しいネットの使い方はなかったりするのですが、先日特ダネで3テラバイトのハードディスクプレーヤーが発売されたと紹介されていたし、前の記事で書いたIPTVの規格の話もありましたし、これはすぐに実現可能な2、3年後の話なんですよね。そう考えると少しだけテレビが変わっていく様子が感じられるかもしれません。ぼくは今でもテレビを見ながらネットをしますけど、その利便性がデフォルトなのです。さらに今では想像もできないような便利で画期的なサービスもきっと生まれていると思うし、生んでいきたいです。SEDテレビの普及はきっとないと思いますけどね・・・。

もう少し分かりやすく現代の話をすると英国の国営BBCテレビでは
【引用始まり】 — BBCはWeb2.0を徹底的に研究しています。新戦略のキーワードは検索(Find)、再生(Play)、共有(Share)です。BBCは1937年から保存している100万もの番組のアーカイブを公開する予定で、各番組にメタデータ(属性情報)をつけて視聴者がすばやく探し出せるようにする計画を進めています。BBCは以前からクリエイティブ・コモンズ・ライセンスについてアーカイブを公開していますが、さらに規模を拡大して使いやすくするのです。そしてBBCの8チャンネルから一定期間の間、好きなところに好きな番組をダウンロードして、パソコンやテレビ、携帯電話などで再生して楽しめるようにします。国民はYouTubeを見るのと同じ感覚でBBC放送を楽しめるわけですね。これはすごいことです。さらに、視聴者はBBCの番組だけではなく自身のブログやビデオなどを共有できるようになります。【引用終わり】 —

世の中は大きくネットの方に比重が移ってきているのが分かるかと思います。
このままだとテレビ局のCMビジネスモデルはどうなるの!?具体的に一体何がどう変わっていくの!?って話がこの本やテレビ進化論での主な議論内容になっています。興味のある人はぜひ読んでみてください。そのうち、まるで世の中はメディアを中心に回っているのだと感じてきちゃいますよ。

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