大腸菌の遺伝子破壊

【引用始まり】 —
大腸菌の全遺伝子を一つずつ壊した約4300種類の菌のセットを森浩禎奈良先端科学技術大学院大教授(生体情報学)や慶応大などのグループが開発、専門誌に21日発表した。
 大腸菌遺伝子の“図書館”として全遺伝子について機能を調べる研究に活用でき、大腸菌で作る医薬品の生産を効率良くすることなどに役立つのではないかという。
 大腸菌は生命研究で材料としてよく使われ、ゲノム(全遺伝情報)が解読されている。
 森教授らは大腸菌が持つと予想される遺伝子約4300種類について、それぞれの遺伝子の塩基配列を壊した大腸菌を作成した。遺伝子のうち約1200は機能がまだ分かっておらず、正常な大腸菌と比較することで、壊した遺伝子の機能を調べることができるという。
(共同通信) 【引用終わり】 —

ぼくの所属する研究室ではまさにこの大腸菌の遺伝子破壊株を用いて、その機能や影響を調べるという研究をしています。
後半部分の「大腸菌で作る医薬品の生産を効率良くすることなどに役立つのではないかという。」のところですね。
大腸菌は慶応大学で開発されたものを使用しています。
とはいっても4300の全ての遺伝子を調べるというのは実質無理で、この一年間ぼくがやってきたことはそのうち2つの代謝に与える影響を調べてきたにすぎません。
途方もない数ですが、うちの研究室ではその中でも主要な代謝経路の遺伝子約90個に注目して比較検討しているわけです。

とりあえずこの人たちは遺伝子工学の技術を使って、全ての遺伝子を一つずつつぶして作ってみたんでしょうね。
そりゃのちのち、うちの研究室でやるような研究のために使えるということで無限の可能性があるわけですけど、遺伝子を破壊することそれ自体は直接世の中に役に立つわけじゃなくて、その後の解析が大事であり問題であると思います。

実際明日は卒研発表ですけど、生体内の機能というのは複雑でいろんなバックアップ機能があるために、遺伝子を欠損させても一見あまり変化がないように見えたりもして、なかなか難しいです。
そこをなんとか解明するのが、研究室の目的なわけなんですけど・・・。

4000個の遺伝子をそれぞれ破壊するのには何年もの歳月と、多大な労力がかかったと思います。
これからはダブル欠損株やトリプル欠損株とかも作っていくんでしょうか。
お疲れさまでした。

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