日立製作所、冬のボーナス

【引用始まり】 — 大企業冬のボーナス、初の90万台=金属業界がけん引-経団連集計
 日本経団連は24日、大手企業の今冬のボーナス妥結状況(127社、第1回集計)を発表した。平均妥結額は前年比0.69%増の90万1031円となり、第1回集計としては3年連続で過去最高額を更新し、初の90万円台に乗せた。業績が好調な非鉄・金属などが全体を押し上げ、伸び率も5年連続のプラスだった。(時事通信)【引用終わり】 —

冬のボーナスの平均が90万円だそうです。
あくまで大企業に限った話で、しかも全社員平均なので日本の若い人たちのほとんどはこの額もらえないことでしょう。ただぼくの周りも就職活動終わってみれば売り手市場だったのか大企業内定者がゴロゴロしていて会社によっては初任給24万ボーナス6ヶ月なんてのもザラなので入社2年目でも夏冬合計150万弱は貰えることになっちゃいます。うちの会社はたぶん合計100万(4ヶ月+α)くらいなのでなんだかスタートから格差を感じてしまいますね。本来ボーナスとは業績に連動するべきもので、うちの会社ももう少し水準高くて良いのではないかと思ったりしますが、その点ここ数年業績好調な金属関連会社はものすごいことになっているみたいです。ただ今後もそれが続くか怪しいところが金属系の特徴ですね。業績に報いる会社は低迷期にはシビアってことです。

そんな中、日立製作所が家庭用PCから撤退することが報じられました。
【引用始まり】 — 日立製作所は23日、「プリウス」のブランド名で販売するノート型など家庭用パソコンの新製品の開発を中止したことを明らかにした。愛知県豊川市の工場で行っている現行製品の生産も打ち切る。日立はテレビやパソコン、インターネット機能などを融合した製品を開発する方針だが、現行の家庭用パソコンからは撤退することになる。【引用終わり】 —

前々から言われ続けていることですが電機業界は大変です。
日本の高度成長期を支えてきた誇るべき業界ではありますが、何しろ数が多すぎます。シロモノと呼ばれる家電をはじめ、今回のPCでもそうですが日立、東芝、松下、ソニー、三菱、三洋、シャープ、富士通、etc同じものを作っている会社がたくさんあるため、狭い国内市場で競争が激しすぎるのです。しかもPCに限っては日本語という大きな壁があるため、国内での技術を海外向けに応用することの障壁となって海外市場で大幅な出遅れをしてしまっています。多くの国内メーカーが同じようなものをそれぞれの会社で研究開発、発売して狭いパイを奪い合っている状態が続いているのです。

問題はそれだけではありません。
特に日立製作所が顕著ですが、日立製作所本体だけで従業員が4万人弱、日立グループ全体で1000社以上の子会社を抱え、総従業員数は35万人を超えるまさに大企業の中の大企業です。それだけに多くの不採算事業や子会社を抱えており、それが業績の好調な事業や子会社の利益を相殺し、結果売上高は10兆円もあるのにも関わらず営業利益は2500億に留まりその利益率は2.5%足らずです。これが電機業界各社共通の問題点で、ほとんどの企業で低利益率に甘んじておりそれが規模の割には時価総額が低い原因ともなっています。今日立製作所の時価総額は約2兆5千億くらいで傘下の子会社の総時価総額は4兆円くらいだといわれています。さらに日立製作所本体の中にも好調な事業所もたくさんあるので、今日立を買収して事業所、子会社ごとにばら売りすれば非常においしいということでファンドの格好の標的だとも言われています。

というわけで今後一体どういうことが必要かとなったときに、業績の悪い事業や子会社を撤退、解散させて選択と集中、従業員の整理と再編を急いでしなければいけない、その一環としてシェアが高くなかった採算の取れない家庭用PC部門から撤退するということになったのです。しかしこれだけでは当然まだまだ足りません。日立はこれからも不採算事業から積極的に撤退し、採算のとれる部門へと資本を集中すべきです。子会社の数ももっと大幅に減らしていかなければいけません。大企業病とも言われますが、多くの部署、子会社で連携がとれていなくて、同じような研究を違う部署で同時に別々にやっているというコストの無駄をどんどん無くしていかなくてはいけません。この日立の再編は日立内部だけに留まらないでしょう。例えばソニーが半導体部門を東芝に売却したように業界全体で無駄をなくしていくような業界再編が今後日立製作所を中心に起こっていくのではないかと思います。

日立は副社長だけでも10人以上いるらしいじゃないですか、もっと根本的に全体的にスリム化を計るべきです。日立は今までリストラを積極的にしてきませんでしたが、社長がすべきことは会社の利益率を引き上げて市場から高い評価を受けることです。人はもっと減らすべきです。もっと言えば電機業界いくつかの会社はなくなっても良いくらいです。でもそれは無理でしょうから、それぞれ得意な分野に的を絞って脱総合電機メーカーを目指していくべきではないでしょうか。本当は日立にとって家電部門は値下げ競争が激しくて利益を生み出さないお荷物部門となっているんですよ。それでも日立が家電部門から撤退するようなことになれば家電の日立としてのブランドイメージに傷が付くというような問題もあるのでなかなか難しいところでもあります。

冒頭の冬のボーナス平均は大企業での話なわけですが、日立製作所など電機メーカーの給料はソニーを除いてどこも低いということが知られています。それは電機連合と言われる業界団体で給与額の足並みをそろえているためだそうです。ソニーはその連合に入っていないから高いということです。給料はそれほど高くなく、今後業界再編が間違いなく激しく起こっていく電機業界、だからこの業界に就職するというのはリスクの高い行為なのです。リスクのない就職なんて存在しませんが、電機業界、特に日立製作所なんてのは長年に渡って就職人気が高いので不思議だなと思ったりするのです。一般的な社会的地位やイメージは高いような気がしますけどね。ちなみにうちの大学から今年も20人近くの新卒が日立製作所本体に入社するそうです。子会社も含めれば相当数が日立グループに所属することになるんじゃないでしょうか。

おまけ:たくさん給料を払える会社(gettoblasterの日記)
昨年我が研究室から某航空会社のパイロットになった先輩がいましたけど入社5年目で年収1千万突破するらしいです、素直にうらやましい。。

参考:働いてみたいIT企業ランキング(1)
参考:働いてはいけないIT企業

4 件のコメント

  • [ボーナス150万]
    ボーナスが150万でても、税金でがっぽり取られちゃうから手取りは120万ちょいなんだよねー。
    年収が1000万いっても、手取りは800万いくかいかないか?
    また年金や社会保障税(医療費とか)増えるって言っているんでもっと可処分所得は減っていくんだろーね。

    つらいっ。

  • [Deeさんへ]
    ボーナスも課税対象なんですね。
    うちはさらに住宅費で大幅に可処分所得減るのでかなりつらいです。

  • [どうなんでしょう?]
    確かに10人の副社長って絶対人数では多いなって思いますね。
    4万人社員がいて、グループ連結でが40万人弱の会社ですよね。日立みたいに事業領域の広い会社が10人の副社長で収まってるのもすごいと思いませんか?
    頭割りで一人1万人の部下がいる計算です。
    1万人の会社ってそこそこないですよね?

    不採算事業の切り捨ては会社として取り組まなければならないことですが、次の世界を作るための投資は惜しむべきではないと思います。
    技術を通じて社会に貢献するのが企業理念のようですので、優良事業で得られた原始を元に次の時代の新事業に投資しているのではないでしょうか。
    なんにしろ、私には文明の利器を享受するしかできませんが(^^

  • [ちえさんへ]
    ぼくの彼女が日立製作所の内定者なのでわざと厳しく書いていますが、ぼくは日立という会社は好きなので気を悪くなされたなら謝ります。

    確かにグループ会社で見れば一人当たり一万人になりますが、子会社にはそれぞれ社長、副社長がいるのでグループでみる必要はないと思います。ぼくが島耕作という漫画を愛読しているから感じるのでしょうけど、社長は会社にとって大事ですけど、副社長というのはまり重要な役ではないと思っているんですよね。副社長が陣頭指揮をとって引っ張っていくという場面はなく、社長不在時の代理程度にしかぼくの認識がないので、今回のようなことを書いてしまいました。実際は違うのかもしれませんのでなんともいえません。

    ところで日立というか日本の大企業の特質ですが、子会社の社長や役員、部長職は本社で出世レースに負けた人間が当てられるという事実があるということを聞いたことがあります。だからそういう意味では将来への布石として多くの子会社があるわけではなく、本社の人間の受け皿として存在する子会社に本当に存在価値があるのだろうかと思ってしまうのです。有機ELやHDDように例え赤字でも国民の利益のために続けていくべきである事業もありますが、そうでない無駄なところもやはりあるのではないかなというのがぼくの意見です。そしてその無駄なところのために全体が沈んでしまっては本末転倒だと思うのです。技術を通じて社会に貢献するためには経営もうまくやっていかなければいけません。本社で出世できなかった子会社社長、役員は保身のため守りに入ると聞きます。リストラは辛いですけど、思い切った改革も必要じゃないかなとぼくは思っています。

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