草食系ブラック企業

ぼくが転職活動をしていることは別に隠しているわけでもないですが、一応進路が確定するまでは言うべきではないだろうと、社内でも極一部の人しか知らないことです。それでも知っている人たちと話すと、その人たちは割と今は辞める気がないという人が多い気がします。

その理由として、今の会社は条件面では決して悪くない会社だからだと思います。

・知らない人はいない有名企業、東証1部上場
・違法性があることは絶対しない法令遵守企業
・もちろん残業代も全額きっちり出る
・残業自体も業界内では少ない方
・社員は優秀な人が多い
・業績は創業以来右肩上がり、営業利益率半端ない
・よほどのことがない限り潰れはしない
・不動産やローンなど各種契約が有利に進む
・合コンである程度モテる

などなど、はっきり言うと所謂ホワイト企業です。
ずっと働くと決めてしまえばすごくいい会社かもしれません。

けど最近、草食系ブラック企業という言葉を知って、これに当てはまるんじゃないかなと思いました。草食系ブラック企業とは一見楽そうに見えるかもしれないけれど、実はまったくスキルが身につかないまま年月がたち、自分の可能性をジワリジワリと奪っていく要注意な職場とのこと、らしいです。

うちの会社は今、何千人という社員が働いています。
規模が大きくなった会社が課すミッションは脱属人化です。
ベンチャーでありがちな、このプロジェクトはこの人が全部仕切っていて、この人がいなくなったら成り立たないという状況を嫌います。それは組織やサービスを運営していく上で当然なのですが、その脱属人化が極端に進むことにより、所謂歯車状態が出来上がるのです。

うちの会社には独自の技術と言われるものが数多く存在します。
高性能なツールや技術が予め先人により用意されており、それを活用することにより、普通にやるより何倍も効率よく開発や運用をすすめることができます。さらにマニュアルやドキュメント化も進み、誰がやっても問題なくサービスが継続できる状況ができていきます。というか、それを作っていくことこそが仕事なのです。

と、なった時にふと気づくと自分がやってきたことって、今の会社以外では全く役に立たないスキルばかりになっているということがかなりありえる職場なのです。今の会社で評価される仕事って実は、社内調整やプロジェクトリーダー的な役割なのですが、それもエンジニアとしてもディレクターとしても非常に中途半端で、長く働くことでそれに慣れると、市場価値の低い人間になってしまうリスクがあります。

それがぼくが転職理由を聞かれた時に答えている「自分の仕事の幅が狭くなっている」ということなのですが、もう一つ挙げる理由として、今の会社は規模が大きくなりすぎて社会的責任も大きくなり、尖ったサービスを出すことができない体質になってしまったんですよね。これは社長も認めているところですが、すげー面白いけど社会的に叩かれる可能性が少しでもあって、採算性からも微妙かもってサービスは絶対に承認されません。採算性が微妙というけど、売上10億円くらいのサービスでも却下されたりクローズされたりします。

だから新規開発するにしても構想からリリースまで何百人も関わって、2年も3年もかかったりするし、当然その間に市場環境は変化しているわけなのでとても対応できません。いろんな偉い人が関わって、承認が進むにつれて、サービスの面白い部分や尖った部分というのが削れられて無難なサービスが出来上がっていきます。悪い意味でくだらないサービスが作られるのです。

ぼくは良い意味でくだらないサービスを出せる会社で働きたい。
そういう会社で世の中をあっと言わせる、世の中の価値観を変えていくようなサービスを作っていきたい、そういう会社で働きたいというのが転職理由であり、志望動機でもあるのです。

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