長男の重圧

いつかこのタイトルで書いてみようと温めていたお話です。
ぼくは3人兄弟の長男です。
弟が一人、妹が一人います。

この度、妹が福岡の私立大学への入学が決定したそうです。
正直、私立は絶対ダメだと言っていた親が認めたのは驚きです。
当然喜んではいないでしょうが・・。

ぼくの家庭は決して裕福ではありません。
父親も数年前にリストラされ、再就職したものの家計は依然厳しいです。
ぼくは現在理系国立大学大学院1年生、弟は理系国立大学学部3年生、そして妹が来月から文系私立大学生になるわけです。それぞれ一人暮らしをしており、当然その負担は莫大なものになることが容易に想像できます。

もっとも、こうなることはずっと前から予想できました。
弟はぼくのことを「自由きままに生きている」と例えますが、ぼくの人生でずっと目に見えない長男としての重圧というものはある意味テーマのようなものです。

正確には大学進学の頃でしょうか。
当時受験に失敗したぼくには二つの選択肢がありました。
一つは浪人して、憧れていた旧帝大の大学に再チャレンジする。
そしてもう一つは、当時センター試験を受けた後にたまたま見つけた、後期試験でA判定だった今の大学に入学するという選択です。

親は言います。
「違う大学に行きたいなら、浪人してもいいのよ。」

ぼくの親、特に母親はいつもお金がないと言っていますが、いざとなればお金のことで子供に苦労をかけさせたくないという想いが伝わってきます。
けど、ぼくにとってはその想いこそ、決断に重みを感じさせるものとなるのです。今日学校へ行こうで、バレエに人生を賭け高校を中退し、ローザンヌ国際バレエコンクールに出場した話がありましたけど、予選敗退の結果が分かった時、その選手は泣きませんでした。けど、母親に電話し「楽しかったんでしょ?良かったじゃない。」と言われた時に初めて泣き出すんですよね。自分の中では納得していても、自分を無条件で応援してくれいた人の期待に応えることができなかったいう悔しさ。母親の無償の愛ほど、重いものはない気がします。

当然、浪人したら違う人生が待っているかもしれないという想いはありました。けど、こうなってしまったのは自分の努力の甘さが原因だし、下に弟や妹が待っていることを考えると、浪人なんて選択肢はぼくにはありませんでした。そんなお金ない状態で「浪人してもいいのよ」という言葉はぼくの心に染みたのを覚えています。

そして大学院にまで行かせてもらい、弟と妹が同時に大学生になる今、ぼくは就職という人生の岐路に再び立ってます。いろいろうまくいかないこともあるし、辛いことも多いですが、そんな甘いこと言ってられない現実もあります。
就職に関して、人生に関して、真剣に考えています。
長男は責任感が芽生えるなんて昔から言いますけど、ある意味当たっていると思います。自分の周りを考えても、長男長女は自分の人生や就職活動に関して必死です。それはきっと無意識のうちに自分だけがわがままを言っていい存在ではないということを本能的に学んでいるからです。逆に次男、次女、末っ子はある程度、自分の前に既にできたレールを歩いてきて、自分の後を歩いてくる人もいないて、甘い人生観を持っている人が多い気がします。自分の人生について本気で考えてるのかと言いたくなる人も多いです。

一応言っておきますけど、別に不幸話がしたいわけじゃないんです。
地方国立大学という環境か、ぼくの周りにはそれはもう苦労している人が多いです。リストラは当たり前、自己破産や借金、家族離散、学費生活費全額自己負担など、苦労していない人の方が少ないくらいです。ぼくなんてまだ全然恵まれている方です。

そんなそれぞれの立場、置かれた環境の中で、ぼくたちは精一杯生きています。もちろん、フラフラしたり適当に過ごしていることも多いですが、それでも常に、心の奥底、根底にはそれぞれの重圧、プレッシャー、責任感、使命感、背負っているものがあります。

そして、だから、ぼくは今、自分のやるべきことに全力で取り組みます。
理想ではなくて、現実問題としてどうなのか、それがぼくの根底にある価値観だし、そういう根底にある価値観と自分の行動や選択に一貫性を持たせることが大事なことかなと思います。ぼくも最近になって気がつきましたが、社会貢献がしたいなんていう職業観はちゃんちゃらおかしいです。大事な軸は自分がどうなのか、自分に関わる人たちはどうなのかです。それ以外はその結果でいいと思います。

ちょっと話がずれましたが、ぼくの長男としての重圧はこれからも続きますし、それが宿命だとは思います。けど、それは悪いことではなく、自分の推進力となるものだとも思います。いろいろあります。いろいろ大変ですが、それを力に変えて頑張っていけたらなと思います。

おまけ:ジョブズの卒業祝賀スピーチ

4 件のコメント

  • [共感します]
    私もまったく同じ家族構成なのですが(笑)
    長男の重圧というのは何かしらありますね。実家に戻って親戚に会うと「長男なんだから」と優遇される反面「頑張れ」と何かを何度も念押しされたり。

    でも就職活動に対するモチベーションを上げるものとしてはこれ以上のものはないのですから運がいいとも言えますよ。
    頑張ってください、長男なんですから(笑)

  • [ラチャブティ さんへ]
    うちは「長男だからって別に戻ってきたりしないといけないわけじゃないから」って言われたりするけど、それでも内心なんとなくプレッシャーみたいなのは感じますよねー。長男って兄弟の中で何かと最初の経験だったりすることが多いから、いろいろ大変なところがありましたけど・・・。

    就職活動、無意識ながらそうやってやる気に繋がるのならいいことかもしれませんね。
    がんばります(笑)

  • [俺も長男です]
    読んでて涙でました。
    俺は浪人させてもらって留年までして・・・ダメだな。
    でも、これからは家族を食わせてくぞ!と思わせてもらいました。
    長男は責任感生まれますよ。

  • [たかしさんへ]
    たかしさんも長男なんですね。
    ぼくの文章で涙流してもらえるなんて光栄です。
    長男は必然的に自分だけのことじゃなくて、いろいろ考えることになりますよね。頑張りましょう!

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