ここがヘンだよビズリーチ!転職エージェントと人事の2つの嘘

スカウト機能が売りの転職サイト、ビズリーチを一ヶ月ほど使ってみた感想です。

一般的にスカウトやヘッドハンティングという響きから連想するのは「引き抜き」であり、声がかかった時点で内定状態のようなイメージがあると思います。対して転職サイトのスカウトメールはどうか、さすがにそこまでの効力がないことは誰でも予想できますが、実際もっとひどいなーと感じることが多かったのでまとめてみたいと思います。

ちなみにビズリーチに一ヶ月登録するとエージェントからのスカウトメールが何千通と届きました。何千通のDMなんて目すら通さないのはもちろんですが、中でも読む価値があるかと思われる面談確約のプラチナスカウトメールに限定しての話です。

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Aランクエージェントなんてどこにもいなかった

ビズリーチでは、転職エージェントがランク付けされています。 Sランクエージェント、Aランクエージェント、Bランクエージェント、ランク無しエージェントといったランクがあり、ランク以外にも点数付けがされていて、ビズリーチ内での「直近6カ月間の採用決定人数」「採用されたお客様の決定年収」「送信したスカウトの返信率」などから算出されているようです。

つまり、ランクと点数が高い方が優秀なエージェントであり、質の高いキャリア相談や企業との交渉に強いと考えることができます。世に出回っている案件はだいたい同じなので、どうせなら実力の高いエージェントに紹介してもらった方が有利だろうということが予想され、同じ案件を紹介されてもランクの高いエージェントを選びたいとユーザは考えるはずです。

特にSランク、Aランクのエージェントはそもそも絶対数が少なく、コンタクトを取るのも難しい、という風にビズリーチは煽ってきます。例えばAランクのエージェントからスカウトメールが届くと別途こんな風なメールが届きます。

○○様は今週、ビズリーチ会員のうち1.75%しか受け取れない、プラチナスカウトの中でも「特別なプラチナスカウト」を受信されています。 ○○氏は【Aランク】ヘッドハンターであり、ビズリーチにおいて年収・ポジションアップの実績と高い決定率を誇っています。 今すぐ転職をお考えでない場合でも、○○氏と連絡を取ることで他ヘッドハンターが保有していない希少で秘匿性の高い案件や、今後のキャリアを築くにあたっての有益な情報などを得られる可能性があります。 受信されているメッセージを確認され、連絡を取ることをおすすめいたします。

この文言はうまいなーと思います。希少なスカウトメールを受け取ったという演出により、せっかくだから話だけでも聞いてみるかなという気になります。やっぱり過去の経験から実力のあるエージェントの話は案件情報以外でもキャリア相談として参考になりますし。

というわけで、このスカウトメールに返信して先日エージェントと会ってきました。 その返信メールのやり取りで少し気になったのが

お世話になります。○○でございます。 ご調整頂きありがとうございます。 それでは、明日○○開始にてお願いいたします。 案件主担当の○○が同席いたします。

案件主担当者が同席、まぁそんなもんかと気にしなかったんですが、当日行ってみると出てきたのは案件主担当の○○さんだけでした。

どういうことかと言うと、不動産屋の釣り物件と同じですよね。Aランクヘッドハンターから声がかかりましたと言われて、行ってみたらその人は出てこずにランク無しヘッドハンターの登場です。

まぁ、たぶんビズリーチへの登録も安くない金額がかかっているんだろうし、登録者を増やして分散するより1社で評価を高めるためにこういうやり方をしているんでしょうけど、こっちとしては騙された気分です。そりゃないだろうと思ってしまいます。

そういう会社や人から案件を紹介してもらいたいとは思えないですよね。 せめて同席つってんだから同席だけでもしろよという感じでした。

企業からの直接スカウトは人事や代行会社が勝手に出してるだけ

ビズリーチには転職エージェントからのスカウト以外にも企業からの直接スカウトがあります。

企業の規模にもよりますが、大抵は人事担当者や採用代行会社からのスカウトメールです。そういう場合、スカウトメールという名前ですが、要は従来の採用活動と同じで応募者の母数を増やして、そこから書類選考でフルイにかけていくパターンです。

つまり「お、こんな会社が自分に興味を持っているんだ」と思って興味があることを返信すると「興味を持ってくれてありがとうございます。では書類選考からですのでしばらくお待ち下さい」みたいなパターンが多いです。なんだよそれって思いますが、それはもうそんなもんかなと思ったりします。

しかし、もっとおかしいなと思うのはスカウトメールの送り主が代表取締役社長やCTOになっている場合です。

「○○さんの経歴をみてぜひうちに来て欲しいと思いました、一度お話だけでもさせていただけませんか」みたいな感じの文面で、相手が著名な人だったりすると、話だけでも聞いてみるかという気になってしまいます。

そして実際会いに行ってみると人事や部門担当者に対応されるって話にならないパターンもあるんでしょうけど、本人に会えた場合でも明らかにレジュメを初めて見るという感じで対応されたり、開口一番「志望動機はなんですか?」みたいに、いきなり通常の面接が始まったりして、おいおい形式だけでもそっちが先に興味をもったって体なんだから、そういう風に扱ってくれよと興ざめしてしまいます。

こんなの全然スカウトやヘッドハンティングには程遠いですよね。

つまり、これもスカウトメールを送っているのは結局名前を借りた人事や代行会社なんですよね。そんなの代表取締役やCTOがわざわざビズリーチを毎日チェックして気になる人に送っているわけがないので、少し考えたら当然なんですが、でも正確に言えば嘘をついているわけじゃないですか。なんだかなーと思います。

しかも、ビズリーチって一応ハイクラス求人を扱っているサイトなはずなのにCTO候補を年収400万から600万で探してるみたいな求人も意外とあって、無茶だろみたいのも多いです。

まとめ

以上、ぼくが体験した「ここがヘンだよビズリーチ」でしたが、なんか歪んでるなー、理想とは程遠いなーと思った点について書いてみました。

とは言え、全部が全部、こういうパターンではないでしょうし、実際優れたエージェントもいるのは確かです。本当にちゃんと代表取締役やCTOが厳選してスカウトメールを送っているところもたくさんあると思います。

そういうエージェントや企業と出会うのはもう縁としか言いようがなく、それはどんなサイトに登録しても一緒なのかなと思います。でも登録してみていろんな人の話を聞くだけでも勉強にはなりましたし、情報収集と割り切ればすごく良いかなとは思いました。

ビズリーチは有料サイトですが、いまなら何ヶ月か無料で使えるみたいです。 会員制求人サイト『BIZREACH(ビズリーチ)』

また、同じくハイクラス、エグゼクティブ特化型の転職支援を得意としており、業界・職種別の組織体制をとっているJAC Recruitment(ジェイ エイ シー リクルートメント)が大手の転職支援エージェントとしてはオススメです。

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