【2019読書の秋レビュー】最近読んで良かったマネジメントやビジネススキル系の本

先月と今月で読んだ本のレビューを簡単に書いていきたいと思います。

OODA LOOP(ウーダループ)

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DMMのCTO松本さんが最近イベントで登壇する度にアジリティという言葉を使っていて気になっていたんですが、先日Twitterでこの本を読んで経営の参考にしているという紹介をしている中にあったので読んでみました。

冒頭アジリティについて説明がありますが、日本語でいうと機敏性という意味で要は状況に応じて素早く判断して進むべき方向性を定めていくという意味でした。ピボットに近いですが、変化の早い世界なので企業でもチームでも個人でもアジリティは重要なことだなと思いました。ただし、本書では変化に対応するのではなく、望ましい状態を形成するのが目的だとしています。
本のタイトルにもなっているOODAはウーダと発音するらしいですが、

  • 観察(Observe)
  • 環境を観察しなければいけない。環境には自分自身や敵、あるいはその物理的、心理的、精神的状況、潜在的な敵味方が含まれる。

  • 情勢判断(Orient)
  •  観察したものすべてがなにを意味するかについて情勢判断し自らを方向づけなければいけない。

  • 意思決定(Deside)
  •  ある種の決定を行わなければいけない。

  • 行動(Act)
  • その決定を実行に移さなくてはいけない。つまり行動しなければいけない。

というPDCAみたいな考え方です。
筆者は元アメリカ空軍大佐で大学教授なども勤めた人らしいですが、興味深かったのはトヨタ・宮本武蔵と、かなり日本企業や人物について詳しく紹介しているところでした。宮本武蔵は「書物を読むだけでは概念について熟達することはできない。これらの概念を試し、実践し、その経験を共有する仕組みをつくり共通した見出しや方向性を形成する」と何度も主張していたそうで、そこを意識していこうと思いました。
関連して、孫子の兵法の話もたくさん出てくるのですが、奇と正の話が面白く、如何にしてトヨタは奇と正でアメリカ市場で成功したかという話など個人の人生のキャリア戦略にも応用できるのではと思うような話でした。
総合すると宮本武蔵と孫子の兵法の本を読みたくなる本でした。
(宮本武蔵の五輪書という本を筆者は参考にしているそうです。Amazonにもありました。)

採用基準

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7年前発売のベストセラーですが、いままでタイトルからマッキンゼーが採用に求める条件(地頭やロジカルシンキングなど)の紹介やそれを見極める面接の仕方についての話なのかなと勘違いして読んでなかったです。
実際に読んでみるとほぼほぼ9割リーダーシップに関する本でした。タイトルをリーダーシップに変えてもいいと思います。
日本人がイメージするリーダーシップはZOZOの元社長の前澤さんやソフトバンクの孫さんのようなカリスマ性のあるごく一部の人が生まれつき持つものという感じがしますが、本当のリーダーシップは「チームの使命を達成するために、必要なことをやる人」であって会社では全社員が持つべきものとして書かれていました。
特に前半は非常に心に刺さる名言がたくさん出てきて、我が身を振り返り反省し、鼓舞される内容でした。

これはとても良い本だったしなんなら人生で読んだ本の中でも一番良かったのでは?というようなでした。

一番伝わる説明の順番

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物事を分かりやすく説明する能力を鍛えることは非常に重要だと思うので読んでみました。
響いたポイントとしては

  • 説明がうまくいかない問題の本質は多くの場合「言いたいことが決まっていない」
  •  話が下手な人の特徴は「まとめる能力が足りない」のではなく「そもそも言いたいことが自分でもよくわかっていない」という状態
     その場合、文章に書き出してみて自分の言いたいことを整理するのが第一歩

  • 話の冒頭で地図を共有する
  •  これからどんな展開で話をするのか、どの範囲で説明するのか、全体像を提示すれば相手の思考が迷子にならない。あとは相手の知りたいことを考える、枝ではなく幹から伝えると言った当たり前といえば当たり前なようなことも基本として忘れてはいけないなと思いました。

やはり説明がうまくなるには訓練も必要で

  • 相手が理解しているもので例える力(アナロジー)
  • 要約する力(サマライズ)
  • 概念化する力(クリスタライズ)

などそれぞれどうやって鍛えればいいかという話は勉強になりました。例えばサマライズを鍛えるのにはビジネス書を章ごとに要約して人から批評してもらうという方法だったり、会議の議事録をとるときに最後に冒頭にサマリーとして全体を要約するというようなことで普段から練習できそうだと思いました。

会社というモンスターが僕たちを不幸にしているのかもしれない。

働き方改革でも有名なサイボウズの青野社長の最新著書です。
内容を一言で言うと「楽しく働くためには」というような内容で、楽しいは従業員にとって報酬であり、会社にとって重要な経営戦略だと書かれています。

「楽しい」とは楽園のような職場という意味ではありません。
会社が職場として提供できる楽しさとは仲間と同じビジョンに向かう一体感、個性を生かした貢献、そしてお互いの感謝。
活動が顧客の喜びを生むと共にその先にある社会貢献への広がり。それが会社という仕組みを生かして得られる「楽しさ」だと思います。
どんな状況でも楽しく働き続ける人はいます。
「やりたい」ことを探求し、「やれる」ことを広げ、そして「やるべき」仕事に重ねていける人たちです。

チームのことだけ考えた。

同じくサイボウズ青野社長の著書です。
青野社長も昔から楽しく働くを大事にしていたわけではなく、創業からかなり長い間、ITベンチャーなんだから能力、時間の限界まで身を粉にして働くべきだと考えていたそうです。ただ、その結果、離職率は28%、売上も利益も激減、倒産寸前まで行って社長を辞めたいと漏らしていたときに松下幸之助の言葉を目にして覚悟を決めて考え方を改めたという話でした。それからは社員が楽しく働いていないことは重大な問題だと認識し、人間は理想に向かって行動する、という原則に気付き、社員の自立心、多様性を何より大事にした組織を目指しているそうです。
読んでいると青野社長の死まで覚悟したという会社経営への挫折心から、強い信念を持って制度作りをしていることが分かり、それくらいの覚悟だからどの会社よりもマインドの時点で一歩進んでいるなと感じました。この本で言ってる企画や製品のコンセプト(「誰」に「何」と言わせたいかから考える)とはOKRでいうところのOであって、要するに組織には共通認識のビジョンや目標があると足並みを揃えてミッションの実現を目指せるという話なのでOKRを学んでOKRを使うのではなく、違う道から考えていっても結果、同じ解法にたどり着いているところが面白いと思いました。

最軽量のマネジメント

同じくサイボウズの取締役の山田さんの著書です。
前半は山田さん視点でのサイボウズの挫折と成長について、後半はマネジメントに関する独自の考え方とサイボウズの制度が書かれています。
現代のマネージャーはプロジェクトマネジメント、進捗管理、予算管理、人材育成、モチベーション管理、給与査定など経営層から求められることが多く、目標達成しながらチームをまとめていかなくてはいけない、そんなの大変すぎて無理でしょという考えが背景にあります。マネージャーとは役割に過ぎず、何でもできるスーパーマンでもないし、偉いわけでもない、部下と上司という上下関係ではなく個人と個人との関係であり、マネージャー自身もチームのメンバーの1人、それぞれが得意なことを補い合い協力し合うことで1つのチームなんだという考えです。
最軽量のマネージャーとはマネージャーの仕事をチームで分散しましょう、マネージャーがやるべきことは意思決定だけで良いという話でした。実際にサイボウズの開発部門ではマネージャー職を実験的に廃止したらしく、すごいなと思います。

1on1マネジメント

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マネージャーになった人が最初に読むべき本の1つだと思いました。
1on1というタイトルですが、それだけに留まらずマネージャーの役割とは、ピープルマネジメントをするとはどういうことなのか、キャリア開発支援、目標設定支援、斬新なことが書かれているわけではないですが、ものすごく大切だと思う基本的な考え方がきちんと書かれています。
リーダーやマネージャーは何かしら得られるものがあると思う良書でした。

感動の会議! リーダーが会議で「人を動かす」技術

何事にも勝ちパターンというものがあってそのフレームワークにコンテンツを乗せるという考え方が参考になりました。会議力についての本ですが実際のところは質問力についてで効果的な質問の型、パターンについておもに解説されています。よく社会では「あいつはダメだ」って烙印を押されることがあると思いますが、それはその人がダメなのではなく、その人から引き出す側の力不足、質問力不足を棚に上げて言ってしまってるケースが多いんじゃないかなとか読んでいて思いました。本書にも島田紳助のパターン応用力がすごいという話がありましたが、例えばさんまさんとか素人から引き出す力が強いですよね。ビジネススクールやMBAではこのような応対の練習とか訓練をするんでしょうか。

THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法

下記のようなポイントが読んでいて刺さりました。

・チームに悪影響を与える人間には3つのタイプがある。「性格が悪い人(攻撃的、反抗的)」「怠け者(労力を出し惜しむ)」「周りを暗くする人(愚痴や文句ばかり言っている)」だ。
・成功しているチームは腐ったリンゴに対してとても厳しい。それに加えて腐ったリンゴを鋭く見抜くこともできる。おそらく後者の方がより重要な資質だろう。「オールブラックス」の愛称で知られるラグビーのニュージーランド代表チームのモットーは「愚か者は去れ」だ。
・「あなたのチームの文化を知るために誰か1人だけに会うとしたら誰に会えばいいですか?」いいチームや組織にはその文化を作り出している温かい人柄と好奇心を持った人がいる。
・離職率を下げる方法は待遇を良くして福利厚生を充実させることではなく、帰属意識を高め、ここは安全な場所だという認識を高めることである。大切なのは、ここは自分らしくいられる場所であり、この場所の未来をつくる過程に貢献できると感じることだ。
・帰属意識を高めるために重要なことは「あなたはこのチームの一員だ。このチームは特別だ。あなたにはこのチームで期待されるレベルに到達する力があると信じている」というシグナルを繰り返し送ることである。
・弱さを見せる小さな瞬間を何度も積み重ねることでチーム内に協力関係が生まれる。なかでもいちばん影響力が大きいのはリーダーが弱さを見せる瞬間だ。自分の失敗を認められるのはリーダーにとって最も大切な資質だ。
・部下に次の3つの質問をすることをリーダーにすすめる。「今私がしていることでこのままずっと続けて欲しいと思うことはなにか。」「今私があまりしていないことでもっとたくさんした方がいいと思うことはなにか。」「あなたにはもっと生産性を上げてもらうために私にできることはなにか。」
・どんな質問でも最初の答えは本当の答えではない。だからそこで終わりにしないで、ゆっくりと本当の答えを探っていく。
・フィードバックを与える時は問題点だけを具体的に指摘し、相手の性格や人間性にまで話を広げないこと。そうすれば、言われた方も「安心と帰属意識」を失わずに済む。
・成功しているチームではキャッチフレーズが盛んに使われている。そういうキャッチフレーズを空虚で中身がない、自己満足だと嫌う人も多いが、その態度は間違っている。安っぽく聞こえるのはキャッチフレーズの欠陥ではなく、分かりやすく人の耳に届きやすいという働き、仕様である。

こういう本に書いていることはいつもだいたい一緒で心理的安全性だったり、価値観や目的を定期的に確認して優先順位をつける、といったようなことなんですが、だいたい一緒だということはやはりそれは本質的なことであって良いチームや組織を作るための絶対的法則なんだと思っています。もっと本質に対する解像度を上げていきたいです。

あなたの人生の意味

「THE CULTURE CODE」の中で名著として紹介されていたので興味が湧いて読んでみました。
個人の自律性、独立性が重んじられる現代では多くの人が「何を成したか」という職業的成功を目指す人生観に捕らわれていて、利己の利益を優先し周囲からの評価を高めて利益を得ようとしています。しかし人生で大切なことはその人がしたことより、その人がどんな人だったかということ、社会的成功や名声より人格の形成の方が大事であるということが本書に書かれています。
1章から10章までありますが、2章から9章は実在した人物の伝記に近いので1章と10章を読むだけでも筆者の言いたいことは理解できそうです。自分の欠点と向き合い、失敗から学び、人間性を磨くことで何を目標に生きていけばいいのかというような人生の問いに答えられるようになるという話でした。いい人間という言葉も出てきて、いい人の定義について自分の中の理解が深まったような気がしました。

管理職1年目の教科書

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タイトルとは裏腹に外資系企業の元社長である筆者が考える仕事術を全36個紹介するという内容でした。
期待していた内容とは少し違ったのですが参考になる部分も多かったです。
例えばルール23では、上司に提案した内容をイエスと言わせるコツみたいなことが書かれていて、上司に提案を通すときに必要なのは上司の目標を達成するためにプラスになる提案にすること、上司の目標というのはイコール会社への貢献なので会社にも貢献する提案になる、そのようなストーリーを織り込むと提案を通しやすく、上司自身がなんとかしようとしてくれるみたいな、社会人の仕事の仕方、考え方でした。このような自分がやりたいことを相手にとって得だと思わせるというのはずる賢いやり方かもしれませんが、例えばリファラル採用で自社への応募を説得するときって自社の利益になるような人を口説くわけですが、口説き方としては相手の利益になるってことを説得しなければ絶対応募してくれないので、すごく実感として理解できる話でした。
他にもルール26では成功体験を4つのステップ(経緯を書き出す、成功要因を洗い出す、行動と紐付ける、言葉でまとめる)で振り返って分析するというやり方は、例えば1on1で成功の再現性を高めるための能動学習に使えそうだったり、1つ1つのルールは勉強になりました。
また、「はじめに」に書かれている「管理職の役割はチームの成果の最大化」という部分は非常に共感しました。

「すぐやるチーム」をつくるたった1つの考え方

いいチームを作るために必要なことは「モラル感覚の近いチームにする」ということが書かれていました。
「チームビルディング」「チームマネジメント」のスキルの部分ではなく、モラルつまり価値観の近い人を集めることがなにより重要だという考え方です。モラル感覚が近いとは例えば、客先に1、2分遅刻しそうなときに遅れそうだと連絡するのか、連絡する時間がもったいないからそのまま直行するのかというような、正解のないような選択において同じ価値観な人が集まっていた方があらゆることに話が早くて摩擦が生まれないという話でした。
「企業風土」「企業文化」はモラルの総数みたいなものなのでそういう意味で価値観が一致していることは重要なことかもなと思いました。筆者は面接のときにモラル感覚の一致度を確認するため100個の質問を用意していたりするそうです。ちなみに一致しているといっても完全に同じ人なんてもちろんいないので筆者の感覚だと8割位モラル感覚が似ている人だと仕事がうまくいくそうです。
とは言え、自分のチームのメンバーを全員選べるなんてことは現実的にあまりないことなので、その場合はモラル感覚の違いを意識したマネジメントが必要だ、ということがメインの話でした。

まとめ

積ん読があと10冊くらい机の上にあるので年内には読んでしまいたいなと思います。
また追記していきます。

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