最近、各方面で評判がいいので読んでみました。
[itemlink post_id="11078"]
本書は翻訳本なんですが、エンジニア組織にまつわるあるある話、起きやすい問題は世界共通なんだなと思う箇所がたくさんあり面白かったです。
例えば厄介な部下「エンジニアとしては格別に優秀だが、実に嫌なやつ(ブリリアントジャークと呼ぶらしい)」と本書には記載されていましたが、ものすごく頭が切れて仕事もバリバリこなすが、如何せんチームプレイができず周囲の人たちを不快な気分にさせる人物というのはどこの会社にもいるものです。そこまでいかなくても、チームに波風をたてる人、マイナスの経験にいつまでもこだわる人、噂話の度が過ぎる人、排他的な思考パターンに陥ってる人はいるもので、チームのエネルギーを吸い取り枯渇させてしまいかねない「エネルギーバンパイア」たちです。
一方、人間関係が良好なチームは雰囲気も明るく、結束力も強まりやすく、しかるべき成果をあげられる可能性も高いのは自明の理です。そのようなチームの結束を乱す人は他のメンバーの心理的安全性を脅かすような言動をとり、他のメンバーの足を引っ張る傾向があるので「有害」な社員に他なりません。
ブリリアントジャークは現場のストレスを考えると排除したいところですが、本人の能力が極めて高いため経営層にそれを証明することがなかなか難しく、首にするのが大変で、一旦雇ってしまうと並々ならぬ努力を強いられるため、回避するための最良の策は「はじめからそういう人を雇わないこと」だそうです。
よく「うちの社風にあった人材」が欲しいという声が採用面接では聞かれますが、これは多くの場合「既存のメンバーが今後、ともに心置きなくやっていける人材」という意味です。つまり「この人なんだかうちっぽいよね」という事がありますが、それは社風にあって既存メンバーと仲良くやっていけそうな人を端的に表した言葉なんですね。
また、組織文化についても面白いことが書かれていました。
https://twitter.com/sashihara_jp/status/1075370711596691456
企業理念や経営理念に共感できる人が、その会社に合っていて活躍できる、それは疑いようのないことで、なぜならそれが評価基準になるからです。ぼくもそこまではそうだろうなと思っていましたが、仮にそこがあっていないくても非常に大きな努力をすれば組織に溶け込むことは可能というところが、人によって最初から抱えている負荷が異なるのだなーと思うと面白く思えました。
[kanren postid="8377"]