最近、こんな本を読みました。
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チームに大切なのは情熱や信頼といった精神論ではなく、再現性のある理論的な法則であると書かれています。中でもぼくがこの本の中で一番刺さったのは目標設定の考え方でした。チームをチームたらしめる必要要素は「共通の目的」です。人が集まっても目的のない集団はただのグループです。すべてのチームは目的、目標を達成するための集団です。
だからチームとして何を目標に設定するかによって、メンバーの思考や行動は大きく変わってきます。たとえ、いろんなことを担当するチームだとしてもやはり軸となる目標をしっかり定めることが重要なのだと思います。
そして、ここが一番大事だと思うんですが、目標には3つのレベルが存在します。
- 意義目標
最終的に実現したい抽象的な状態や影響 なぜやるべきなのか? 例)ファッションアパレル業界にテクノロジーの力で革命を起こす。- 成果目標
具体的な成果を示したもの。 何を達成したいのか? 例)プロダクトが持つ今期の目標100億円達成に貢献する。- 行動目標
具体的に取り組むべき行動の方向性を示したもの。 例)SLO(サービスレベル目標)を定めて安定的なシステムを提供する。
チームに行動目標しか設定されていなければメンバーは「作業」の奴隷になります。チームに成果目標しか設定されていなければメンバーは「数字」の奴隷になります。意義目標を設定することによって、メンバーは自らの生むべき成果や取るべき行動について意思を持つことができます。「何をやるべきか」だけでなく「なぜやるべきか」が分かれば、新たな「何をやるべきか」が見つかるからです。
なので、チームの目標は上記のような意義目標、成果目標、行動目標の3段階で立てるべきで、意義目標を全員が意識して自発的に行動できれば成果を上げるチーム作りができます。というわけで、うちのチームも3段階の目標を作ってみたりしているのですが、なかなかこの意義目標を普段から意識するように運用するというのは難しいよなと実感中です。
人のモチベーションの4つの源泉
そしてこの本の中でもうひとつ刺さったのはモチベーションの源泉についてでした。本書の中ではモチベーションではなくエンゲージメントと書かれていましたが、4つのPがあるという話でした。
- Philosophy
理念や方針への共感 例)企業理念に共感できる会社で働きたい- Profession
活動や成長の魅力 例)プログラミングが好きだから開発に集中できる会社で働きたい- People
人や風土の魅力 例)尊敬できるエンジニアが所属しているので一緒に働きたい- Privilege
待遇や特権の魅力 例)給料が良い、高い評価が得られやすい環境
チームとしてどこで束ねるのか、またはそれぞれのメンバーがどのタイプなのかを知るということは大事なのかなと思いました。例えば、ディズニーランドのオリエンタルランドはPhilosophyで人を集めている会社だし、リクルートは人材輩出会社と呼ばれるくらいPeopleで惹きつけている会社です。マッキンゼーは若いうちから難しくて大きな仕事ができるというProfessionが動機の会社です。
よく採用面接で「あなたが働くモチベーションの源泉は何ですか?」って質問があると思いますが、それはこれを聞いてるわけですね。
ちょうど1年前くらいにもほとんど同じようなことを書いてました。 [kanren postid="8595"]
人が働くモチベーション、動機には4つのタイプがあるそうです。
- ビジョン実現タイプ
- 職人タイプ
- サラリーマンタイプ
- サポータータイプ
よく言われてることでだいたい4つあるんですね。 そして記事を改めて読んだらすごくいい図を引用してました。
参照:25年間「落ちこぼれチーム」を立て直し続けてわかった マネジャーとして一番大切なこと
右の公的な欲求で考えると、人や組織が成熟していく状態というのは自分のことだけでなく、周りや全体のことを考えられるようになるってことなんだなと改めて思います。
まとめ
ちょっと話が散り散りになりましたが、この本から学んだことは
<ul>
<li>我々は何のために働いているのかという意義目標を意識したい</li>
<li>できればそれを普段から意識できる仕組みが欲しいところ</li>
<li>人のモチベーションには4つの源泉タイプがある</li>
<li>モチベーションやエンゲージメントのマネジメントが必要</li>
<li>メンバーのエンゲージメントを高める仕組みを埋め込むことが重要</li></ul>
言うは易しなんですが、少なくとも気合や根性、センスや人柄ではなく原理原則みたいなものを知るのは大事かなと思いました。