スタートトゥデイのプライベートブランドの一部がついに公開!ZOZOSUITについて

先日、こんな記事を書いていたわけですが。

[kanren postid="5513"]

昨日、ついにその一部が発表されました。

https://twitter.com/yousuck2020/status/933170052018323457

なるほど、無料で配りまくる、その手法はさながらソフトバンク孫社長がネット接続サービスのADSLを普及させるためにモデムを街頭で配りまくって業界構造を変えたことを彷彿とさせます。

ZOZOSUIT あなたの身体を瞬時に採寸することのできるボディースーツです

ZOZOSUITは、あなたの身体の寸法を瞬時に採寸することのできる伸縮センサー内蔵の採寸ボディースーツです。 上下セットで着用し、お手元のスマートフォンをかざすだけ。 人が服に合わせる時代から、服が人に合わせる時代へ。 ZOZOSUITから始まる新しいファッションの世界をどうぞお楽しみください。

スーツはBluetooth内蔵で測定したデータを即ZOZOTOWNのアプリを通じて取り込めるということだそうです。近未来的。

これはたしかに以前から予告のあった ・世界初の試み ・iotをフル活用 であることは間違いないです。

理想を言えば、スーツを着ずにスマートフォンをかざすだけで身体の寸法が図れるくらいの手軽さがれば、もちろんいいわけですが、当然そんなことは現実的ではありません。現実的ではない時点で普通の人は諦めてしまいますが、全く新しいテクノロジーと豊富な資金力で、それを叶えてしまうところはさすがスタートトゥデイと言わざるを得ません。

ちなみにスーツはニュージーランドのソフトセンサー開発企業 「StretchSense Limited.」社との共同開発でIRによると子会社化も検討しているそうです。

StretchSense Limited 社とのコールオプション契約締結に関するお知らせ

SSL は当社のプライベートブランド事業のために必要不可欠な開発技術を有しており、同事業の展開にあたり当社と密接に業務上の連携を行ってまいりました。当社としては、同事業が堅調に推移した場合には、SSLを100%子会社化することを視野に入れております。

ぼくは常々、WEBサービスというのはデータこそ全てで、見た目や機能なんていうのはデータを具現化しているに過ぎないと思っているのですが、これはまさに実現したいことのために正確で大量のデータを集める思い切った手法で画期的なサービスです。

ZOZOがオーダーメイドに近いサービスを始めるらしいと友人に伝えると「オートクチュールに興味がある層って果たしてどれくらいいるのか」というような感想をもらうことが多いのですが、そう思う時点でおそらく既存の慣習や常識にとらわれてしまっている気がします。そうじゃないんです。

それこそ孫さんのおかげで日本にインターネットが普及する前後、iPhoneによりスマートフォンが普及する前後では何もかもの前提が一変しました。それはADSLスマートフォン、それ自体がインフラでありプラットフォームを置き換えたことが画期的であり市場や人々のライフスタイルを変えるまでに至ったわけです。

このサービスが目指しているのはオーダーメイドに興味がある層に対してオーダーメイドしやすくなる方法を提供しているわけではなく、服を買うという行為の定義ごと変えようとしていて、それはまさにプラットフォーム、市場を置き換えようという試みだと思います。

服をネットで買う時のネックとなるのはやはりサイズです。サイズ感が不安だから実店舗に行く、試着する、そういう消費行動自体がなくなり、ネットで見てカッコイイと思った服を確実に似合う自分ぴったりのサイズ感で購入することができる、そういうことが当たり前になる、そういう世界を目指すことにより、アパレル業界が持つ構造的課題を解決し、より多くの人がファッションを楽しめるようにしていきたい、ということではないでしょうか。

それは今後、手法は変われど普遍的なテーマ・課題であるので、これからがますます楽しみです。